維持か発展か 世界遺産、今後の課題
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維持か発展か 世界遺産、今後の課題

世界遺産に登録されると、その後、将来にわたって継承していくための保護や管理が求められます。このような景観や環境の保全の義務づけは、遺産周辺の開発や、周辺地域の観光産業、住民の生活に大きな影響をもたらし、摩擦やトラブルを起こすことさえあります。

街そのものが世界遺産に登録された場合など、そこに住む人々にとってそこは「世界遺産」ではなく「日常の生活の場」なのです。そこに観光客がめずらしいものを見るように立ち入って来たり、保存のためと日常の生活に制約が加えられたら、住民にとってはただの迷惑でしかありません。観光収入をあてにする企業の介入や思惑など、本来の世界遺産の意味を取り違えることのない様、私たちは目を光らせていなければなりません。

ドイツの「ケルン大聖堂」は、ゴシック様式の大聖堂で、ゴシック様式の建築物としては世界最大です。しかし、ユネスコの世界遺産登録後、周辺の高層建築物計画による景観破壊が問題となりました。そのため2004年には危機遺産に指定され、近隣の高層ビル建設との摩擦から、大聖堂の周囲に高さ規制を敷くなどの努力がなされました。同様にドイツの「ドレスデン・エルベ渓谷」も、2004年に世界文化遺産に登録されましたが、その後2006年には、「危機にさらされている世界遺産」リストに登録し、世界遺産リストそのものからの除去される可能性もある、と警告を受けました。理由は、交通渋滞の解消のために、エルベ渓谷を渡る橋の建設が計画されているから、というものです。

橋の建設により、一帯の文化的景観が損なわれ、「顕著で普遍的な価値」という文化遺産としての要件が認められなくなるからです。地球の大きさを変えることはできません。その中で、守るものと発展するものが共存していくにはどうしたら良いのか、この問題は今後更に深刻となってくるでしょう。



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